2015年04月26日
知恩寺
正式には長徳山功徳院百万遍知恩寺と称する浄土宗大本山の一つである。法然上人を開山とし、古くは今出川釈迦堂などと称した。
今出川通りと東大路の交差点辺りを百万遍という。この北東にあるのが知恩寺であり、反対側(南)が京都大学の吉田キャンパスである。ある仕事で毎月のように工学部へ通っていた頃、昼休みによく境内で休ませてもらった。研究室の窓からも知恩寺の境内が見渡せた。
そのシステムは工学部から全学への拡張が、この秋に決まったので、これからも何度となく来ることになるだろう。
法然の教えは、わかりやすく言えば「南無阿弥陀仏」という念仏を唱えるだけで極楽に行くことができるというものである。
百万遍とはこの念仏を百万遍唱えることを言う。疫病が流行した年、後醍醐天皇の勅命により、宮中にて十七日間にわたって百万遍の念仏を唱え、効験あって疫病は鎮静化したという。
広い境内では、古本市なども開かれることがある。大念珠繰りは毎月15日の写経会の後に行われ、この日は境内で手作り市も開かれている。
今回はじめて特別拝観の折りに方丈の庭を見ることができた。南に面して枯山水庭園が広がっている。白い築地塀を背にして、白砂が波紋を描き、右手前に羅漢石、左奥に地蔵が配置されている。曲線を描いた苔の上に小さな刈り込みと石組が施されている。白と緑の対比が美しい。
方丈へ続く回廊脇には竹の間の庭がある。苔の緑をなぞるように背の低い竹が植えられ、真ん中に白砂を敷いた庭である。ここに生えている竹は、ここにしか生えないと言われている。
いつもは御影堂の前の広い境内しか見たことがなかったが、この二つの庭はまた春にでも再び訪れてみたいと思った。
〒606-8225 京都府京都市左京区田中門前町103
Posted by koyuki at 15:10│Comments(0)
│京都の庭園
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