善峰寺

koyuki

2015年05月23日 07:00


 西国三十三箇所巡りの第20番札所。 天然記念物の遊龍松は、寺を再興した徳川五代将軍綱吉の生母桂昌院の手植えの松。 重要文化財の多宝塔と経堂を囲むように、西北に長く枝が延びている。
 阪急の東向町駅より阪急バスで小塩(十輪寺前)まで行き、ここからつま先上がりの坂を善峰寺まで40分くらい歩く。 最後に長い石段を登る。  私は小塩から徒歩で登ってが、この努力は薬師寺の前(海抜350m)からの眺望によって報われた。
 途中に三鈷寺への山道があり、ここから三鈷寺を経由して善峰寺北門から行くこともできるが、この坂も険しいので、石段を登ることをお勧めする。
 阪急の東向町駅またはJR向日町駅からタクシーで坂の上まで行くことも出来るし、車でも行ける(駐車場有)。
 左の写真は阿弥陀堂への石畳の坂道。登りきったところに阿弥陀堂があり、左手には書院がある。
  奥の院薬師堂の前からの眺望。 正面遠景に比叡山が見えているのだが、この日は霞がかかっていて薄っすらとしか写っていないのが残念である。 眼下に京都の町並みが一望できる。正面に御所、相国寺、右手には京都駅前の京都タワーも見渡せる。 薬師如来は、毎日この絶景を眺めておられるのである。
 薬師堂へ続く石段脇には秋明菊がたくさん咲いていた。 秋明菊は別名を貴船菊とも言うが、近頃は貴船では見られなくなった花だが、ここでは寺のあちこちに植えられ、9月の終わりから10月の終わり頃まで赤や白の花を咲かせる。
 薬師堂横には桂昌院の献歌碑がある。

   たらちをの 願いをこめし 寺なれば
      われも忘れじ 南無薬師仏
 薬師堂裏の蓮華寿院庭の池の回りにも秋明菊がたくさん咲いていた。
 赤い花はやや見頃を過ぎていたが、白い花は今(10月中頃)が見頃であり、満開であった。
 蓮華寿院庭は昔、青蓮院の宮々が代々、この地で善峰寺の住職された所にして、西山宮又は、御所屋敷と称し、蓮華寿院があったところと云われる。
 善峰寺の開祖は源算上人であり、釈迦堂には上人作の本尊石仏釈迦如来が安置されている。 この釈迦如来像は日本には例のない合掌姿である。 毎月、第二日曜にはお釈迦様のお風呂があり、入浴できる。
 帰りは釈迦堂の前の石段を下りて北門から出て、三鈷寺を廻って山道を降りた。 三鈷寺は修理中であった。 この参道脇で蛇がとぐろを巻いていて、ビックリさせられ、足早に降りた。

 〒610-1133 京都府京都市西京区大原野小塩町1372

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