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2012年07月15日

詩仙堂・丈山の隠棲地

詩仙堂・丈山の隠棲地 「 家康の家臣だった石川丈山が徳川家を離れ、造営した山荘。 
 丈山は大阪夏の陣で戦功をあげながら、それを最後に武士を捨て、文人として生きようとした。
 俗世間を超越し風流の世界に遊んで、九十一歳で歿するまでの三十余年の隠棲地であった。
 死後堂宇は荒廃したが江戸中期に再興され、詩仙堂丈山寺として今に至る。
 丈山の詩に
 「頑固に八十三歳でまだ元気にしている。世間から隠れて早や三十年。がらくたの詩を千余編作った。これで我が人生すべて足る。」 というのがある。(原文は漢詩) 彼は自らを「三足老人」と号していた。

詩仙堂・丈山の隠棲地 叡電の一乗寺駅で降りて、ここまで坂道を登って来た。 10分くらい歩いただろうか。
 ここからさらに15分歩けば曼殊院であり、近くには金福寺(芭蕉庵)もある。
 山荘跡らしく、堂は裏山と隣接している。
 もみじが多いので秋の紅葉はさぞ美しかろう。
 池のそばには菖蒲の花が咲いていた。
 早春から秋にかけて、たくさんの花々が目を楽しませてくれる。
 最近は植物園へ行ってもカタカナの覚えにくい名前の花が巾をきかせているが、ここへ来ればそんなことはない。冬の山茶花からはじまって、南天、梅、椿、つつじ、さつき、京鹿の子、額紫陽花、菖蒲、山吹、藤、りんどう、酔芙蓉・・・名も知らぬ花々もたくさんある。ここで出会って、植物図鑑で調べてはじめて知った野花も多い。 
 (擬宝珠ギボウシ・藪茗荷ヤブミョウガ・水引ミズヒキ・大葉升麻オオバショウマ等々)
 そうして紅葉である。
 詩仙堂の紫陽花がいいと聞いて、梅雨時に訪れてみた。ここの紫陽花は手毬のように円く咲くものではなくて、小さな粒花をかこむようにして四ひらの花が咲く額紫陽花である。淡い紫のまばらに咲くその風情がいい。
 夏ともなれば、シンとした静けさの中に響く鹿おどしのコーンという澄んだ音が涼しいかろう。 」

 丈山は徳川のスパイだったと言う説もある。 近にある修学院離宮を造営した後水尾天皇や公家の動きを監視していたというのだが、できれば、それは嘘であってほしいと思う。隠棲地こそ似つかわしいと思うからだ。

 〒606-8154 京都府京都市左京区一乗寺門口町27

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Posted by koyuki at 07:00│Comments(0)京都の庭園
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