2015年06月07日
松林寺
通称を「やす寺」という。1608年建立。寺域は聚楽第の外堀跡と推定される。
「やす」は安産の安。開基の清印上人が、「重病の母の回復を祈願した時、薬師如来が現われ、安産や婦人病に効験あらたかな秘薬の処方を伝授された」という説話に由来する。
場所は智恵光院通出水下ル。龍馬を斬った見廻組の宿舎であったとも伝えられる。
京都の12月は北山しぐれにふられる季節。晴れているからと、うっかり傘も持たずに出かけると、しぐれにあって濡れ鼠ということになる。西陣の街を歩くのが好きだが、やはり、この日もしぐれていた。傘をさしたり、たたんだりしながら路地を歩くうちに、松林寺の前に来た。山門から本堂まで、なだらかな石段になっている。聚楽第の外堀跡だったと言われれば、そうかと頷けるが、実は後の調査で外堀跡は発見されなかったので、一説には外堀を造っている最中に、秀吉によって、破却された。たった8年間だけ存在した幻のような、そして悲話の纏わる城だった。
山中醤油店の裏の黒い塀が奥に見える。下立ち売り通りに面した醤油店の表には小さな庭があり、水車が回っている。夏などは、この水車のそばで秋海棠が咲いている。
今年は年末まで忙しくしていたので、「だいこん焚き」にも行けなかったななどと思いながら、そぞろ歩いていた。近くには平安宮内酒殿跡が発見された場所もある。久しぶりに底冷えのする一日だったので、熱燗でも一杯ひっかけたくなった。
〒602-8174京都府京都市上京区智恵光院通出水下る分銅町575
Posted by koyuki at 07:00│Comments(0)
│京都の庭園
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